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破壊と再生

生物はわざわざエネルギーを使って積極的に自らを壊しては、つくりかえている。最新の生物学が明らかにしたことは、タンパク質の合成経路は一通りしかないけれど、分解経路は何通りもある、という事実だ。つまり、生物は壊すことの方が主であるということだ。何故ゆえに、そこまでして壊し続けるのであろうか。

秩序は無秩序へ、形あるものは崩れる。エントロピー増大の法則である。

生命現象は、この世界にあって、もっとも秩序ある仕組みである。エントロピー増大の法則は、この生命の上にも、細胞ひとつひとつまで容赦なく降り注ぎ、タンパク質を変性させ、細胞膜を酸化し、DNAを傷つける。

すこしでもその法則に抗うために、生命はあえて自らを壊すことを選択した。率先して分解することで、変性、酸化、損傷を、つまり増大するエントロピーを必死に汲み出そうとしているのだ。

生命はどこまでも積極的であり、常に破壊を伴っている。受け身ではなく、消極的でもない。家内安全、生活の安定などは幻想に過ぎない。安全・安定の裏には常に破壊が潜んでいる。常に前を向き、自らを壊し、変化させることだ。破壊は再生への最短距離であり、破壊は八開でもある。

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コメント

三角先生のお話をもっと聞かせてください^^お時間が取れますように♡

投稿: 江口麻緒 | 2012年3月30日 (金) 11時52分

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