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2011年11月

鉄分過剰

若い女性の10人に1人は鉄欠乏性貧血といわれる。原因は月経による出血、偏食や無理なダイエットなどがあげられる。こうした現実から、鉄については不足状態ばかりが注目されがちだが、摂り過ぎの危険もある。鉄分の過剰摂取が続いて体内に過剰に存在すると、細胞を傷つける鉄毒性を発し、肝臓などに蓄積して鉄過剰症をもたらす。

鉄過剰症は、進行すると肝臓障害や心不全あるいはがんや神経疾患のリスクを高める。若くて健康であれば、調整機能が十分に働いてくれるので神経質になることはないが、中高年や肥満、脂肪肝、メタボなどがある人は要注意である。

鉄分が多く含まれている食材として、肉、貝、卵といった動物性蛋白質、滋養強壮によいとされるウコンや朝鮮人参、想像以上に多いのが乾燥食材や豆類、ドライフルーツ、インスタントコーヒーなどがあげられる。肝臓によいからとウコンの飲みすぎには要注意である。アルコールを飲んだ後に必ずウコンを飲んでいる人も当然である。ウコンによる肝臓障害が報告されている。

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正義を口にすると正義は腐る

昨今、「暴力団排除」がかまびすしい。この過剰な動きは、過剰な管理社会への一里塚である、と考えるのは私ひとりだけであろうか・・・。戦前、戦中に「天皇陛下」という言葉を出せばすべてが押し黙ったというあの雰囲気に似たものがあるように思われてならない。「暴力団排除」と口にすれば誰も何も言えなくなる。そんな矢先、「暴力団排除」阻止に動く議連の人たちが現れてきた。「暴力団対策のあり方を考える議員連盟の設立趣旨書」に次のような内容が記されている。

「今回の法改定を含む暴力団対策には多くの疑問があります。まず、憲法で保障された基本的人権、とりわけ「個人の自由」という社会の根本的な原理との整合性に問題があると言わざるを得ません。・・・「暴力団」と認定しただけで規制の対象となるのでは極めて恣意的に運用される恐れがあります。・・・」

たいへん勇気ある言動であると思う。「正義を口にすると正義は腐る」。某作家の言葉である。人の心のなかには誰しも光と闇をもつ。あの空海ですらそうである。真理を探究して、これでもかこれでもかと自らの心の奥底を探求した若き空海は、自らの心の奥底に鬼をみた。夢のなかで何人もの若い女性を犯している鬼をみた。空海は問いかけた。「お前は誰だ!」その鬼はニヤと笑って答えた。「俺はお前だ!」

光があれば闇がある。正義があれば悪がある。すべてはコインの裏表である。切って切り離せるものではない。古事記では、光の世界はアマテラス、闇の世界はスサノオが支配したと記している。人体においても、太陽の原理と月の原理がある。月は水を支配している。夜の商売を水商売と言う所以である。

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メタボ検診、コレステロール

メタボ検診でコレステロールが高いと診断されてコレステロールを下げる薬を飲んでいる人はたくさんいる。そして、薬を飲んでから何となく身体がだるくなり、元気がなくなり、足腰が重いと訴える人を外来でよく見かける。多くの人はコレステロールを下げる薬のせいだとは思いもせずにずっと続けて飲み続けている。私に指摘された初めて「そういえば、コレステロールを下げるを飲みだしてからだ・・・」と頷く。

メタボの基準で争う2つの学会がある。製薬会社、厚生労働省、日本医師会が主体となった日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会である。後者は富山大学和漢医学、お茶ノ水女子大学などが中心になっている。日本脂質栄養学会は、「コレステロール値が高いと総死亡率が低下する」「コレステロール低下は意味がない」「日本はLDL(悪玉コレステロール)、中性脂肪が高いほうが長生きする」と発表したのが、昨年の9月である。これに怒ったのが日本動脈硬化学会である。「高コレステロールということは循環器疾患死の危険因子である」と声明文を発表した。

製薬メーカのひも付きの学会は、コレステロールの上限値を220としている。この数値が250にまで引き上げられたらコレステロールを下げる薬の年間の売上はどれほど下がるであろうか・・・。おそらく、十分の一以下にまで下がるのではないだろうか。ちなみに、コレステロール低下剤の年間の売上額は1兆5000億円である。降圧剤が8000億円。高血圧と脂質異常症が製薬メーカのドル箱となっているのは疑いの余地がない。

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